クールな年下男子と、甘い恋を。

「やっぱりダメだよね」
 えへへ、と苦笑する。

「ごめん、忘れ」
 て、と言うよりも先に、私の手に漣里くんのそれが重なっていた。
 驚いて、漣里くんの横顔を見る。

 彼の頬は、夜でもわかるくらい、赤くなっている。

「…………」
 私は手をくるりと半回転させて、彼の指に自分の指を絡めた。
 さすがにこれは拒否されるかなと思ったけど、彼は振り解こうとはしなかった。

「……手のひらには相手の心に訴える力があるんだよな」
「? うん」
「なら、俺が考えてることもわかる?」
「……これからもよろしく?」
 私は花火を視界の端に捉えながら、首を傾げた。

「……。まあ、それでもいいや。これからは彼氏彼女として、改めてよろしく」
「こちらこそ」
 連続で花火が上がり、私は正面に向き直った。
 終わりに差し掛かり、次々と花開く花火に目が奪われる。

 ぎゅっと、繋いだ指先に力をこめる。
 綺麗だね。それを伝えるために。

 彼は手を握り返してきた。
 言葉なんていらない。
 私の手を握り返してくる温もりがあれば、それだけでいいと、そう思った。