クールな年下男子と、甘い恋を。

 葵先輩と超美人のお母さまにご挨拶させてもらい、リビングで三十分ほど話した後。

 帰りは漣里くんに送ってもらった。

 私は両手で自転車を押して。
 漣里くんは何も持たず、私の傍を歩く。

「私が熱中症になりかけたときとは逆だね。あのときは漣里くんが自転車を押して歩いてた」
「そうだな。あのときは、こんなふうに二人でまた歩くことになるとは思わなかった」
 漣里くんは過去を懐かしむように目を細めた。

「真白と知り合えてよかった」
 夜風に艶やかな黒髪を遊ばせながら、漣里くんはそう言った。

「そ、それは、うん。私も」
 照れながら頷く。

 しばらく、沈黙。
 でも、もう気まずいなんて思ったりしない。
 むしろ、この沈黙が心地良いとすら思える。

「……あのさ。土曜日、花火大会あるだろ」
「うん」
「予定がなかったら、一緒に行かない?」
 まっすぐに私を見つめる、漣里くんの瞳。
 心臓が、再び騒ぎ出す。

「行く。行きたい!」
 勢い込んで言うと、漣里くんはまた笑った。
「俺も。真白と行きたい」