クールな年下男子と、甘い恋を。

「……もちまる」
 私は再びもちまるのお墓に向き直り、両手を合わせて目を閉じた。

「漣里くんと離れるのはとても悲しいと思います。寂しいと思います。でも、安心してください。私がもちまるの分まで漣里くんを幸せにします……とは言い切れませんが、努力します」
「……ちょっと待て。なんだそれ」
 隣から突っ込まれて、そちらを向く。

 漣里くんは呆れたような、怪訝そうな、複雑な顔をしている。

「だって、私がもちまるだったら、自分がいなくなって落ち込んでる漣里くんを心配すると思うの。漣里くんが好きだった分だけ、もちまるも漣里くんのことを好きだったと思う」
「……そんなこと、わかるわけない」
「わかるよ」
 目を逸らしてしまった漣里くんに、私は訴えた。

「漣里くんはもちまるの写真や動画を送ってくれたでしょう? 楽しそうにもちまるとの思い出を話してくれたでしょう? 私は知ってるよ。漣里くんがもちまるのことが大好きだったこと。大切にしてたこと。もちまるだってきっと、漣里くんのことが大好きだったよ」

「…………」
 漣里くんは何も言わない。
 落ち込んだ顔のまま、視線をもちまるのお墓に向けている。
 悲しみに閉ざされた心を開くには、もう一押しが必要なようだ。