クールな年下男子と、甘い恋を。

 自転車に飛び乗り、急いで漣里くんの家に向かうと、漣里くんはまだ外にいた。
 庭の木の前にしゃがんで、ある一点を見ている。
 彼の視線の先には墓石に見立てたらしい丸い石が置いてあった。
 あれがもちまるのお墓なのだろう。

「漣里くん」
 声をかけると、漣里くんはゆっくりとした動きで私を振り返った。
 彼の表情はない。
 なんでここに、とも言わない。

 彼の頭上に広がる空は曇っていて、星一つ見えない。
 漣里くんの気持ちをそのまま表しているかのようだった。

「……もちまる、亡くなっちゃったんだってね」
「ああ」
 棒読みのような口調が、とても悲しい。

「……私もお墓参りさせてもらってもいい?」
「どうぞ」
 漣里くんは横に移動して、私に場所を譲ってくれた。
 二人肩を並べて、もちまるのお墓の前で屈む。

 漣里くんの肩が私の肩に触れる、そんな距離。
 もちまるのお墓を見て、再び漣里くんの横顔を見る。
 悲しみに暮れて、沈みきった、無表情。