クールな年下男子と、甘い恋を。

『良かった。あのね、ちょっと助けてもらえないかな? 漣里が落ち込んでるんだ。今朝、飼ってたハムスターが死んじゃって。もう二年半も生きてたから、寿命だね』
「そうなんですか……」
 何と言えばいいのかわからず、私は相槌を打つことしかできなかった。

『漣里はもちまるのお墓の前でぼーっとしてるんだ。なんか見てられなくて』
 夜の静かな庭で、ぽつんと立ち尽くしている漣里くんの姿を想像してみる。
 胸がきゅっと締め付けられるような気持ちになった。

『悪いんだけど、励ましてあげてくれないかな。真白ちゃんの言葉なら少しは響くと思うんだよね』
「……はい。それはもちろん構いませんが……」
 とは言ったものの、私になにができるんだろう。
 どんな言葉をかけたって、愛するペットを失った事実は変えられないし、漣里くんの悲しみは消えない。

 それでも。
 傍にいることくらいなら……

 私はきゅっと唇を噛んでから、口を開いた。

「……葵先輩。こんな夜に非常識かもしれませんけど、家にお邪魔しては駄目でしょうか? ラインではなく、直接会って言葉をかけたいんです」