クールな年下男子と、甘い恋を。

「……そんな大真面目な顔で友達になりたいって言われたの初めてだ」
 少しの沈黙を挟んで、漣里くんはふっと微笑んだ。

「いいよ。友達になろう」
「うん!」
 肯定の言葉が、弾けるように口から飛び出す。

「じゃあ、これからは友達として、ちゃんと名前で呼んでほしいな」
 実は前から気になっていたのだ。

「わかった。真白」
「!?」
 心臓が大きく跳ねた。

 いや、確かに名前で呼んでほしいとは言いましたが!!
 ただの『先輩』じゃなく、ちゃんと『深森先輩』と呼んでほしいという意味だったんですが!?
 まさか躊躇いなく下の名前で呼ばれるとは思わなかったんですけども!?

 親戚でも家族でもない男の子から呼び捨てにされたことなんてない。
 どんなに頑張っても名字の『深森』だ。

「……顔真っ赤だけど、大丈夫? やっぱり先輩に戻す?」
「え……あー……いやっ、真白でいいよ! 私も名前で呼んでるし! うん、真白でいこう!」
 私は赤面しつつ、こくこく頷いた。

「じゃあ真白だな」
 漣里くんは心なしか、楽しそうに私の名前を呼んだ。

 ――それから私たちは本屋へ行って、雑貨巡りをして、楽しい時間を過ごした。
 別れ際には、またスイーツを食べに行くことを約束した。
 総じて、とても幸せな一日だった。