クールな年下男子と、甘い恋を。

 何を言えばいいのかわからず、ただ足元を見つめて黙っていると。

「なんで泣きそうな顔してるんだ?」
 漣里くんが問いかけてきた。

「…………」
 そんなことないよ。
 笑ってごまかそうとしたけれど、彼の瞳はまっすぐすぎて、嘘をつけなかった。

「……ちょっとこっち来て」
 通行人の邪魔にならないよう、私は漣里くんを連れて道端の日陰に入った。
 彼と向かい合い、息を吸って、言う。

「……私は漣里くんにとって、ただの知り合い、なんだよね」
「先輩がそう言ったんだろ」
 すぐに言い返された。

「………………え?」
 きょとんとしてしまう。
 ……私、そんなこと言ったかな?

「え? いつ?」
「深森食堂で。ご両親にそう言った」
 漣里くんの声には少しだけ、拗ねているような響きがあった。