クールな年下男子と、甘い恋を。

「………………」
 やばい、何この人、可愛い。
 無表情なのに、背後に花が咲いているのがわかって、私は必死で笑いをこらえた。

 会話の合間にシナモンロールを口に運ぶ。
 それからしばらくして、片手に水を持ったウェイトレスさんがやってきた。

「お水のお代わりはいかがでしょうか?」
「あ、お願いします。漣里くんは?」
「いい」
 私の水を注ぎ足した後、ウェイトレスさんは私たちを交互に見て笑った。

「羨ましいですねぇ。夏休みにカップルでデートなんて」
「そんな……」
「カップルじゃないです。俺たちはただの知り合いなので」
 頭を思いっきり殴られたようなショックを受けた。

 ただの知り合い。
 彼ははっきりとそう言った。

「あ、そう……なんですか」
 私はいまどんな表情をしているんだろう。
 わからないけれど、ウェイトレスさんは私を見て、困ったような愛想笑いを浮かべた。

「それでは、何かありましたらお呼びください」
 ウェイトレスさんはそそくさと退散していった。
 漣里くんは何事もなかったように、再びパンケーキを食べ始めた。
 私もシナモンロールを口に運ぶ。

「…………」
 どうしてだろう。
 おいしいはずなのに、味を感じなかった。