クールな年下男子と、甘い恋を。

「写真撮る?」
「いや、いい。インスタとかやってないし、写真を撮る趣味もない」
「私も。シナモンロールの味見してみない? このお店はシナモンロールも絶品なんだって」
「……食べる。パンケーキも切るから、味見して」
「うん」
 私はシナモンロールを切り分け、漣里くんのお皿にのせた。
 お返しとばかりに、漣里くんも小さく切ったパンケーキを私のお皿にのせた。

「おいしい」
 漣里くんはシナモンロールを一口食べて、小さく笑った。

「そっか、良かった」
「…………」
 漣里くんは何故か、じっと私を見つめた。

「どうかしたの?」
「先輩は俺が喜ぶと笑うな」
「? それって普通のことじゃないの?」

 誰かが喜んでいるのを見ると、嬉しくなって自然に笑顔が浮かぶものじゃないんだろうか。
 好意を抱いている相手ならなおさら――あ、いや、特別な『好き』という意味じゃなくて、あくまで友人として、ね。

 漣里くんはシロップを見た。
 どれにしようか迷った様子の後で、色が濃いほうのメープルシロップを手に取ってクリームにかけた。

 ナイフとフォークを使ってパンケーキを切り、クリームをつけて一口。
 うん、というように軽く頷いて、また食べる。