クールな年下男子と、甘い恋を。

「…………」
 これから彼と行動をともにする私にとって、二人の言葉は大きなプレッシャーになった。
 そ、そうだよね。漣里くんが格好良いのは誰が見てもわかる事実だもんね。

 並んで立つのが申し訳ない平凡な容姿だとしても、せめて振る舞いや言葉遣いには気を遣って、美しく……!

 持っているバッグの紐をぎゅっと握り締める。
 今日私が悩みに悩んで選んだのは、薄いピンクをベースにした花柄のワンピース。

 胸元には赤いリボン、裾には控えめなフリルがついている。
 このワンピースは試着したとき、お母さんも店員さんも褒めてくれたから、少なくともそんなに変な格好ではない……はず!

 私は深呼吸してから歩き出した。
 接近に気づいたらしく、漣里くんが顔を上げた。
 ここで私は素早く脳内シミュレーション。

『ごめんね、待った?』
 映画で見たワンシーンみたいに謝りながら、出会えた喜びを表すべく、心からの微笑みを浮かべる――うん、これなら満点だ。文句なんてつけようがない。

 何事も最初が肝心。
 ここで好印象を与えられるかどうかで、この後の運命が決まるといっても過言じゃない。
 さあ、いまこそ人生で最高の笑顔を浮かべて、最高のスタートを切るんだ、真白!