クールな年下男子と、甘い恋を。

 ……あ。いたんだ。
 漣里くんは真面目な性格だから、ちゃんと時間を守りそうだと思ったんだよね。

 十五分前ならさすがに、と思ったけど、もっと早く来ればよかった。
 彼は噴水の縁に座っているカップルと同じく、俯いてスマホを弄っていた。
 ゲームでもしているらしく、指が単純なスクロールではない動きをしている。

 彼はレイヤードの白いシャツに紺色の半袖シャツを羽織っていた。
 下は黒のスラックス。胸にはシルバーアクセサリー。
 外出するためか、これまでで最も外見に気を遣っているように感じた。

 彼がアクセサリーをつけているところなんて初めて見る。
 もしかしたら葵先輩が全身コーディネートしたのかもしれない。

 失礼だけど、漣里くんは流行やファッションに興味がなさそう。
 いつも決まってシャツにジーパン姿だったし。
 アクセサリーは煩わしいから嫌い、腕時計すら嫌だって言ってたしね。

 ともあれ。
 ……改めて見ると、本当に格好良い人だなぁ。

 伏せられた長い睫毛。大きな瞳。桃色の唇。すらりと伸びた手足。
 ありふれた公園の風景の中で、彼だけが特別に浮かび上がって見える。
 どうやらそんな感想を抱いたのは私だけではないらしく、通りすがりの女子二人組みのうち、一人が彼を見て言った。

「格好良いね、あの子」
「うん。モデルかなぁ」
 二人はきゃっきゃと笑いながら通り過ぎて行った。