クールな年下男子と、甘い恋を。

 ストロベリーケーキは地元の駅から二駅離れた繁華街にある。
 そこで私たちは、駅のすぐ隣にあるさくらば公園を待ち合わせ場所にした。

『さくらば』の名前が示す通り、この公園は桜並木が見事で美しい。
 春になると遠方からお花見目当ての人がやってきたりもする。
 私も春にはお母さんが作ってくれたお弁当を広げて、家族で楽しいひと時を過ごした。

 漣里くんたちもお花見はしたのかな?
 そんなことを考えながら、緑の葉が青々と茂った桜並木を歩き、左手の腕時計を見る。

 現在時刻は、午後一時四十五分。
 待ち合わせの十五分前。
 よし、余裕。

 小さく頷き、辺りを見回す。

 アブラゼミの鳴き声で公園は賑やかだ。
 茹だるような暑さにも負けず、綺麗に舗装された歩道を数人が歩いている。

 友達と談笑している女子グループ、子どもの手を引いて歩いているお父さん。
 彼らを横目に見ながら遊具のあるゾーンを抜けて、噴水の前に着いた。

 照りつける太陽の日差しを浴びた噴水の縁にはカップルが座っていた。
 漣里くんの姿はない。

 良かった、少し早めに来て正解だった。
 安心しかけたそのとき、噴水の斜め前のベンチに漣里くんが座っているのを発見した。