クールな年下男子と、甘い恋を。

「うるさくしてごめんね……」
 三十分ほど後。
 私は漣里くんを見送るため、外に出ていた。

「いや、別に。賑やかな家族だなって思っただけ。おいしかった。ごちそうさまでした」
「おいしかった? だったら良かった」
 夏の生温い風を頬に受けながら微笑むと、漣里くんは少し沈黙してから言った。

「……本当に迷惑じゃなかったんだな」
「え?」
「社交辞令で来て欲しいって言ったのかと思ってたんだけど。先輩の対応を見る限り、そうじゃなかったみたいだ」
「それはそうだよ。本当に来て欲しかったもの。だから、今日漣里くんが来てくれて凄く嬉しい」
「そうか。手当てもしてくれて、ありがとう」
 漣里くんは小さく頭を下げた。

「どういたしまして。良かったらまた来てね」
 私は微笑んだ。
 これでお別れかと思いきや、漣里くんはじっと私を見つめて。
 何か考えるような顔をしてから、言った。

「……あのさ。パンケーキ、好き?」
「? うん、好きだよ」
「なら今度、一緒に食べに行かない? 手当てのお礼に奢るから、付き合ってほしい」