クールな年下男子と、甘い恋を。

 手当てを終えた私は救急箱を片付けて厨房に向かった。
 すると、私と入れ替わるようにお母さんは厨房から出た。
 漣里くんに「娘を助けてくれてありがとう」とお礼を言っているみたい。
 お礼の他にも何か言われたのか、漣里くんはちょっと困っているように見えた。

「何か変なこと言ってないよね?」
 厨房に戻ってきたお母さんに、私はジト目で聞いた。

「別に何も? いやーあんた、成瀬くんがあんなイケメンだなんて聞いてないわよ? さっきもなーんか良い雰囲気だったし、もしかして実は彼氏だったりする?」
 お母さんは何故か楽しそう。

「そんなわけないでしょ! 漣里くんとは学年も違うし、ついこの前知り合ったばかりなの! そう、だから、本当にただの知り合い!!」
 皿洗い中だった私は大慌てで泡塗れの両手を振った。

 お母さんってば、声が大きい!
 漣里くんに聞こえる!
 迷惑に思われる!