クールな年下男子と、甘い恋を。

「かすり傷ならこんなふうに血が滲んだりしないよ。痛いでしょ?」
 私は絆創膏を見て顔をしかめ、再び漣里くんを見つめた。

「痛くない」
「嘘」
「本当。おまじないしてもらったから」
 漣里くんは指先に力を入れて、私の手を少しだけ握り返してきた。
 まるで、ありがとう、と伝えるかのように。

 ――あ。
 私は目を見開いた。

 ほんの少しだけだけど、漣里くんの口元が緩んでる。

 笑ってる……。
 そうか。

 漣里くんは、こんな顔で笑うんだ。

 初めて見る笑顔に、胸の奥がほんわり温かくなった。

「……そっか。良かった」
 気休めでしかないおまじないでも、心配する気持ちが伝わったなら嬉しい。
 自然と、私も笑っていた。