クールな年下男子と、甘い恋を。

 一週間が経った水曜日の夕方、午後五時半過ぎ。

 カランカラン。
『深森食堂』の扉につけられたドアベルが鳴った。

「いらっしゃいませ」
『深森食堂』と書かれた従業員用の赤いエプロンをつけ、テーブルを拭いていた私は顔を上げた。

 来客を確認して、そのまま固まる。
 店に入ってきたのは漣里くんだった。

「あ!」
 私は目と口を丸くした。

「あ、って何。来たらまずかった?」
 英語のロゴが入った黒のシャツ。
 ジーパンというラフなスタイルの漣里くんは、睨むように私を見た。
 眼力があるから睨んでるように見えるだけで、本当は怒ってない、はず。

「ううん、ううん、全然! いまちょうどお客さんが少なくて暇だし、漣里くんが来ないかなって思ってたから、びっくりした! 凄いタイミング! テレパシーが通じたのかも!」
 両手を合わせて笑う私を、漣里くんは無言で見た。

 どうやら呆れられてるみたいだ。
 年下の男の子に。これはちょっと恥ずかしい。