クールな年下男子と、甘い恋を。

「タキシードなんて着るの初めてだし、この髪型だって、なんか……照れくさいというか……」
「え」
 不機嫌なのではなく、単純に気恥ずかしかっただけなの?

「大丈夫だよ、さっきも言ったけど、すっごく格好良いから。見とれちゃった、惚れ直したよ」
「……そう? なら良かった」
 私の言葉に安心したのか、漣里くんは表情を和らげた。

 嬉しい。
 私、漣里くんと踊れるみたいだ。
 花火大会のときは髪もぼさぼさで、転んで、泣いて、もう最悪の状態だったけど。

 いまはちゃんと、綺麗に身なりを整えている。
 一生懸命選んだドレスを着て、漣里くんがプレゼントしてくれたヘアピンを髪に差した、最高の状態だ。

「それじゃあ……。言っとくけど、いまだけは恥ずかしいっていう感情を封印するから」
「? うん」
 なんだかよくわからないまま、頷く。

 漣里くんは歩み寄り、すっ――と。
 私の前で、片膝をついた。

 そして、片手を差し出し、まっすぐに私を見つめる。