クールな年下男子と、甘い恋を。

「……可愛い」
 思わず呟いた、という感じだった。
 その言葉はとても嬉しいけれど――漣里くんが嫌がっているとわかってしまったから、暗がりの中、私は曖昧に笑った。

「ありがとう。漣里くんも凄く格好良いよ。……それ、葵先輩が?」
「ああ」
 たちまち、漣里くんが面白くなさそうな顔つきになる。

「皆と講堂に移動しようとしたとき、後ろから腕を掴まれて。着替えさせられたり髪を整えられたりした後、真白が待ってるから行ってこいって送り出された」
 漣里くんは普段とは違う髪型が気になるのか、髪に手を置いた。

「……そっか。ごめんね」
 目を伏せる。
「嫌だってわかってたのに、私が葵先輩に頼んじゃったの」
「いや」
 漣里くんはかぶりを振った。

「真白の姿を見たら気が変わるって兄貴が言ってたけど、本当だった。恥ずかしいから嫌だって、俺の感情を優先してダンスパーティーに参加しなかったら、こんなに可愛い真白を見ることもできなかった。間違ってたのは俺のほう。真白がそんなに踊りたいと思ってたなんて思わなかった。ごめん」
「え、ううん、そんなこと……でも、漣里くんは本当は嫌なんでしょう? 不機嫌そうだったし……」
「それは……」
 漣里くんは言い淀んだ。