クールな年下男子と、甘い恋を。

 はあ、とため息をついたとき。
 廊下から足音が聞こえた。

 見回りの先生か、それとも漣里くんか。
 前者の場合は隠れなければならない。

 私は極力足音を殺して歩き、扉からそっとその姿を確認した。
 非常灯がぼんやりと灯る廊下を歩いてくるシルエットは――漣里くんだった。

 私はその姿を見て、瞠目した。
 漣里くんはタキシードに身を包んでいた。

 髪も掻き上げるようにして、ばっちり決めている。
 でも、漣里くんは不機嫌そうだった。

 ……あ。やっぱり、乗り気じゃないっぽい。

 来てくれたのはとても嬉しい。
 初めて見た彼のタキシード姿は、ますます彼を凛々しく見せた。

 でも、心が伴ってなければ意味がない。
 どんなに漣里くんが格好良く決めてくれたって、姿と心がちぐはぐなんじゃ、台無しだ。

 フレアスカートを揺らして廊下に出ると、漣里くんは目を軽く見開いた。