クールな年下男子と、甘い恋を。

「あのさ、後夜祭のダンスパーティーのことだけど……」
 葵先輩には任せてくれ、と頼もしく言われたものの、これまで漣里くんは一度もダンスパーティーのことを口にしていない。
 どうしても気になるため、探りを入れてみる。

「ああ。踊る奴は大変だな。クラスの女子も、ドレスの準備がどうとか言ってた」
 自分にはまるで関係のないことのような口ぶりに、私は戸惑った。

 この反応は、葵先輩から話が通ってないとしか思えない。
 私は期待に胸を膨らませながら、何日もかけて色んな店を巡った。

 ドレスも買ったし、靴だって用意したんだけど……あれ?
 もう一度葵先輩に聞いたほうがいいのかな?

 考え、胸の中でかぶりを振る。
 葵先輩は嘘はつかない人だ。
 多分、漣里くんには直前まで伝えないつもりなんだろう。

 どうやって漣里くんを着替えさせて、その気にさせるつもりなのかはわからないけど、これまで最高のサポートをしてくれた葵先輩を信じよう。