クールな年下男子と、甘い恋を。

 反射的に、だろう。
 漣里くんは口元に微笑を浮かべた。

 そう、これこそ私の狙い!
 漣里くんは笑顔で手を振ると、笑い返してくれる習性があるのだ!

 私はすかさず携帯を構えて、写真を撮った。
 よし、完璧!
 胸元でぐっと手を握る。
 写真の中の漣里くんは、ごく自然に笑っていた。
 素晴らしい一枚を見つめて微笑んでから、ふと気になって尋ねる。

「漣里くんはお化け屋敷、手伝わなくていいの?」
「ああ。俺は設営班で、お化け役は別の奴がやるから」
 漣里くんは文化祭が終わったらクラスの皆で打ち上げに行くそうだ。
 もうすっかり溝が埋まったようで、私としては非常に嬉しい。

「じゃあ、色々見て回ろうよ。この服返して――」
「いや、まだ約束まで三十分以上あるし、ぎりぎりまでその格好でいて」
 漣里くんは珍しくきっぱりとそう言って、手を差し出してきた。

「は、はい」
 そう言われたら何も言えず、手を繋いで、歩き出す。