クールな年下男子と、甘い恋を。

 教室の時計は12時過ぎを指している。
 12時で五十鈴と交代するはずだったんだけどな? 
 楽しくて時間を忘れてるのかも、と思ったそのとき、声がかかった。

「お待たせー、遅刻してごめん。交代しよっか、みもっち」
 他のクラスに遊びに行っていた五十鈴が歩いてきた。

「あ、うん。じゃあ更衣室に……」
 廊下から黄色い悲鳴が聞こえた。
 お客さんも、クラスメイトも、何事かという顔で教室の扉を見る。

 大歓声を受けるような人物といえば――やっぱり。

「こんにちは」
 ひょこっと姿を現したのは、葵先輩だった。
 葵先輩だけじゃなく、漣里くんもいた。

 葵先輩は何故か気まずそうな顔をしている漣里くんの腕を掴み、教室の中へ入ってきた。

「はい、行ってらっしゃい」
 五十鈴が私の背中を叩き、そちらへと押し出した。
 この場にみーこがいないのが残念だった。
 葵先輩の登場を誰より喜んだだろうに、すれ違いのタイミングで彼女は出かけていた。

「こんにちは。遊びに来てくれたんですか?」
 彼らの前に行って笑った後、首を傾げる。