クールな年下男子と、甘い恋を。

 十月に入って衣替えも終わり、いよいよ迎えた文化祭――通称、時海祭。

 土曜日の今日は夕方5時まで一般開放されているため、生徒の保護者や他校の生徒など、たくさんの人が来ている。

 お祭り騒ぎの中、私は華やかに飾り付けられた教室の一角で、カジノディーラーとして立っていた。

 黒と白のツートンカラーでまとめられたメイド服に、リボンのついたハイソックス。
 頭にはうさぎ耳付きのカチューシャ。
 過剰にひらひらしたフリルが太ももをくすぐって、どうにも落ち着かない。

 クラスのカジノは盛況だった。
 トランプ、UNO、麻雀の三種類のうち、やはり人気があるのは一般的に認知度が高いトランプ。
 麻雀班の人たちはお客さんが誰もいないのをいいことに、内輪で遊んでいる。
 その中には小金井くんもいて、クラスメイトと一緒に笑っている彼を見ると微笑ましい気持ちになった。

 ひっきりなしに訪れていたお客さんも、お昼時になるとさすがに少なくなった。

 この時間帯はカジノで遊ぶよりも腹ごしらえが優先されるのだろう。
 教室に残っているのは、UNOを囲んでいる三人だけ。

「ふえー、つっかれたー」
 周囲に誰もいないのを良いことに、私は小声で呟いた。