クールな年下男子と、甘い恋を。

 しかも彼、よっぽど恥ずかしいのか、半分だけ顔をそらして、右腕で顔を隠してる。

 右手の甲が左の頬についているような状態だ。
 激しく動揺したように瞳が揺れている。

 え……え?
 何事?

 無愛想でクールな普段の彼からは、想像もつかない状態だよ?

「れ、漣里くん?」
 あ、そういえば、いま私、漣里くんのこと褒めたよね?

 葵先輩に言われたからじゃなくて、ただ会話の流れで、自然に口から出た言葉だったけど――紛れもなくそれは私の本心だ。

「そん……なこと、ない、し……」
 漣里くんは私から顔を背けたまま、声を絞り出すようにして言った。

 え? え? え?
 まだ理解が追いつかず、私の頭の中に無数のはてなマークが踊る。

 ……ひょっとして、漣里くんって。
 ものすごく照れ屋さん?

 私が漣里くんを優しいと言ったとき、否定して廊下に出て行ったのも、照れ隠しだったのかな?

 あの後は、廊下でこんなふうに、真っ赤になってたのかな?