「小金井くんは野田のご両親から謝罪の言葉と、慰謝料を含めた相応のお金を受け取ったみたいだけど。漣里が受け取ったのは怪我の治療費だけ。ほんと、我が弟ながらお人よしすぎて困る。腫れた漣里の顔を思い出すと、いまでもぞっとする。あのとき僕は冷静を装ってたけど、物凄く我慢してたんだよ? 自制しないと野田たちに何をするか自分でもわからなかったからね」
「……迷惑かけてごめん」
苦い顔をしている葵先輩に、漣里くんは軽く頭を下げた。
「色々、ありがとう」
もしかしたら、漣里くんが葵先輩にはっきりとお礼を言ったのは初めてだったのかもしれない。
葵先輩は意表を突かれたような顔で漣里くんを見つめ――やがて、苦笑した。
「まあ、蒸し返しても仕方ないしね。珍しく殊勝な漣里が見れたから許してあげる。でも、次に何かあったらちゃんと相談するんだよ?」
「ああ」
「よろしい」
頷いた漣里くんに、葵先輩が頷き返す。
「ふふ」
微笑ましいやり取りに、自然と笑みが零れてしまう。
「そうだ」
ふと思い出したように漣里くんが立ち上がった。
「真白、ちょっと来て。渡したいものがあるんだ」
「ああ、例のあれか」
葵先輩が呟いた。何か知っているらしい。
「? うん」
私は立ち上がって漣里くんの後を追った。
「……迷惑かけてごめん」
苦い顔をしている葵先輩に、漣里くんは軽く頭を下げた。
「色々、ありがとう」
もしかしたら、漣里くんが葵先輩にはっきりとお礼を言ったのは初めてだったのかもしれない。
葵先輩は意表を突かれたような顔で漣里くんを見つめ――やがて、苦笑した。
「まあ、蒸し返しても仕方ないしね。珍しく殊勝な漣里が見れたから許してあげる。でも、次に何かあったらちゃんと相談するんだよ?」
「ああ」
「よろしい」
頷いた漣里くんに、葵先輩が頷き返す。
「ふふ」
微笑ましいやり取りに、自然と笑みが零れてしまう。
「そうだ」
ふと思い出したように漣里くんが立ち上がった。
「真白、ちょっと来て。渡したいものがあるんだ」
「ああ、例のあれか」
葵先輩が呟いた。何か知っているらしい。
「? うん」
私は立ち上がって漣里くんの後を追った。


