クールな年下男子と、甘い恋を。

 翌日の午後、二時半過ぎ。
 私は成瀬家のリビングで歓談に興じていた。
 この場にいるのは漣里くんと葵先輩、それと私の三人だけ。

 漣里くんのお母さんは気を遣ってくれたらしく、ついさっき買い物に出て行き、お父さんは仕事中だ。

「漣里が真白ちゃんを担いで来たときは本当に驚いたけど、まさかこんな未来になるとは思ってもみなかったよ。学校で一番有名なカップルになったよね。昼食は仲良く一緒に食べてるって、僕の耳にも届いてるよ」
 ブラックのコーヒーを片手に、葵先輩は微笑んだ。

「野田の件も含めて、真白ちゃんには本当にお世話になったね、ありがとう」
「いえいえ、そんな。私は何もしてませんよ。解決してくださったのは葵先輩じゃないですか」
 急いで手を振る。

「小金井くんもすっかり葵先輩の虜ですよ。一体どんな話をされたんだろうって、凄く気になってました」
「大した話はしてないよ。大変だったねって慰めて、具体的に野田たちにどんなことをされたのか聞いただけ。ちなみにその後、野田たちとも話したよ」
「……どんな話をされたんですか?」
「世の中には知らない方がいいこともあるんだよ、真白ちゃん」
 葵先輩はニッコリ笑った。
 笑顔が!! 笑顔が怖い!!

「はい……聞かないでおきます……」
「賢明な判断だ。とにかくこの先、あいつらが漣里に関わることは二度とないよ」
 何故か自信たっぷりに断言して、葵先輩は漣里くんに目を向けた。