クールな年下男子と、甘い恋を。

 続ける言葉に困って、逃げるように目線を上げると、校舎の中からこちらを見ている人影があった。

 相川くんだ。隣には同じクラスの男子もいる。
 購買部からの帰りなのか、彼は片手に紙パックのジュースを持っていた。
 相川くんは漣里くんと目が合うと、片手をあげた。
 そして、漣里くんと、隣にいる私を交互に指し、にやりと笑う。

 ラブラブだねー、とでも言いたいのかもしれない。

「なにやってんだ、守《まもる》の奴……」
 邪魔をされたとでも思ったのか、わずかに不機嫌そうな調子でそう言って、漣里くんは頭を上げた。

 私の肩から重みが消失する。
「守?」
「相川の名前」
 私の全身、頭のてっぺんから足の爪先までを、落雷にも似た激しい衝撃が貫いた。

「守が名前で呼んでいいかって聞いてきたから、別にいいよって……なに、その顔」
 口をあんぐりと開けている私を見て、漣里くんは怪訝そうな顔。
 名前で呼び合える友達ができたんだ……!!

 夕陽の差す屋上で独り寂しく読書していた彼の姿が脳裏をよぎる。
 あまりにも嬉しくて泣きそうになり、私は強く目頭を押さえた。

「良かったね」
 おとついの、昼下がりの午後の光景を思い出す。
 移動教室だったらしく、漣里くんは相川くんたちと渡り廊下を歩いていた。