クールな年下男子と、甘い恋を。

 中庭にある木陰の花壇に座り、漣里くんと談笑しながらお弁当を食べる。
 話題は文化祭準備の進捗状況、最近有名なスイーツのお店などなど、話していて楽しくなるものばかり。

 漣里くんの顔からはガーゼも絆創膏も取り払われ、痣もすっかり消えていた。

 ……平和だ。
 私は漣里くんの隣で、幸せをひしひしと感じていた。

 あの事件が起きた直後、職員室には生徒たちが押しかけたそうだ。

 彼らは口々に野田たちの悪行を告発した。

 先生たちは野田が葵先輩に殴りかかろうとした現場を目撃しているし、いくら彼らの血縁に権力者がいようと、もはや関係なかった。

 事実確認の結果、野田たちは一週間の登校謹慎処分を受けた。

 この一件により野田たちは元々悪かった評判を最低まで落とし、逆に、漣里くんは株を爆上げした。

 漣里くんは事件の翌朝、教室に入るや否やクラスメイトたちから同情され、やり返さなかったことを讃えられ、同時に、いままで無視したり、酷いことを言ったりして悪かった、とも謝られたらしい。

 漣里くんのクラスメイトだけじゃなく、全校生徒が見る目を変えた。
 もはや漣里くんの悪評を信じるものなど誰もいない。
 そして、葵先輩との話し合いを終えた小金井くんは己の言動を改めるようになった。