クールな年下男子と、甘い恋を。

「ありがた迷惑だっ!!」
 珍しく感情全開で叫ぶ漣里くんに、聞き分けのない子供を諭す親のような口調でみーこが言う。

「成瀬くん、せっかく守ってあげるって言ってるんだから張り切って守られようよ。遠慮しなくていいんだよ? 先輩の言う通り、成瀬先輩の弟は私たちの弟だもの」
 横に手を広げ、大げさなポーズを取ってみせるみーこ。
 うんうん、と頷いて同意を示す鉢巻軍団。

「……先輩まで敵なのか……」
 元々人より少ないエネルギーを使い果たしたのか、漣里くんはぐったりした。

「心外だなぁ、味方に決まってるじゃない。私たちは一致団結して成瀬くんを野田の魔の手から守ろうとしてるんだよ? これを味方と呼ばずになんと呼ぶ」
 至って大真面目な顔をするみーこ。
 漣里くんはもはや何も言わず、深くうなだれた。

 笑い声が聞こえる。
 慎ましやかな、それでいて不思議と誰の耳にも届く笑い声。

 振り返れば、そこには口元に手をやり、さもおかしそうに笑う葵先輩が立っていた。

「成瀬先輩!」
 この場に居合わせた他の生徒たちと同様、みーこがぽっと頬を赤らめる。