クールな年下男子と、甘い恋を。

「葵先輩!」
 警告を発するよりも早く、野田が動き、問答無用で葵先輩に殴りかかった。
 葵先輩はまだ振り返ったばかりで、不意打ちに対処しようがないように思えた。

 漣里くんが野田を止めようとしたけど間に合わない。
 間に合う距離じゃない!
 体温が奪われる感覚に襲われた直後、横からみーこが飛び出した。

 彼女は野田の腕を掴み、
「せいっ!」
 掛け声とともに、豪快な一本背負いを決めた。

 鈍い音を立てて野田が撃沈する。
 今度こそ気絶した野田を見下ろし、みーこは獲物を仕留めたとばかりに、腰に手を当てて鼻を鳴らした。

 おおおおお、とギャラリーが沸き、拍手まで起きた。

 悪を倒した勇者のように、大きく手を振ってギャラリーの歓声に応えているみーこに、葵先輩が歩み寄る。