「葵先輩――!」
「大丈夫」
悲鳴をあげた私に、漣里くんが言った。
絶対の信頼を置いているが故の、落ち着いた声で。
漣里くんの言葉を証明するように、葵先輩はがら空きだった野田の腹部を一撃した。
のみならず、腕を掴んでその巨体を回転させ、背中から地面に叩きつけた。
続いて後ろから強襲してきた上杉の拳をかわし、手首を掴んで捻り上げ、投げる。
ほんの数秒で二人は無力化されて地面に転がった。
……す、凄い。
葵先輩、本当に強いんだ!!
唖然としている間に、葵先輩は人差し指で眼鏡を押し上げ、最後に一人だけ残っている加藤を見た。
「ひっ!」
加藤は情けない悲鳴を上げ、仲間であるはずの二人を置いて逃げた。
勝敗が決した瞬間、背後から歓声があがった。
驚いて振り返ると、いつの間にか私たちの後ろにはかなりの数のギャラリーがいた。
ざっと十五人くらいで、男女比は女子が多く、その中には小金井くんの姿もある。
傷だらけの漣里くんを見て、さすがに責任を感じているのか、彼は気まずそうに眼を伏せていた。
「大丈夫? 成瀬くん」
息を弾ませ、駆け寄ってきたのはみーこだった。
「大丈夫」
悲鳴をあげた私に、漣里くんが言った。
絶対の信頼を置いているが故の、落ち着いた声で。
漣里くんの言葉を証明するように、葵先輩はがら空きだった野田の腹部を一撃した。
のみならず、腕を掴んでその巨体を回転させ、背中から地面に叩きつけた。
続いて後ろから強襲してきた上杉の拳をかわし、手首を掴んで捻り上げ、投げる。
ほんの数秒で二人は無力化されて地面に転がった。
……す、凄い。
葵先輩、本当に強いんだ!!
唖然としている間に、葵先輩は人差し指で眼鏡を押し上げ、最後に一人だけ残っている加藤を見た。
「ひっ!」
加藤は情けない悲鳴を上げ、仲間であるはずの二人を置いて逃げた。
勝敗が決した瞬間、背後から歓声があがった。
驚いて振り返ると、いつの間にか私たちの後ろにはかなりの数のギャラリーがいた。
ざっと十五人くらいで、男女比は女子が多く、その中には小金井くんの姿もある。
傷だらけの漣里くんを見て、さすがに責任を感じているのか、彼は気まずそうに眼を伏せていた。
「大丈夫? 成瀬くん」
息を弾ませ、駆け寄ってきたのはみーこだった。


