クールな年下男子と、甘い恋を。

「やっぱり、兄弟っていいねぇ」
 葵先輩と別れた後、私は漣里くんと廊下を歩きながらしみじみ言った。

 葵先輩は弟思いだし、なんだかんだ言って、漣里くんも葵先輩を信頼している。
 葵先輩と漣里くんって、理想的な兄弟関係だと思う。

「兄貴がほしいわけ?」
「うん。私、一人っ子だから。兄弟がいる子が羨ましかったんだ。いいよねー、葵先輩みたいなお兄さん。優しくて包容力があって、頭も良くて、外見も中身も超イケメン。私もあんなお兄さんほしかったなー」
「じゃあ真白が俺と……」
 漣里くんは自分が何を口走っているのか悟ったらしく、不自然に言葉を打ち切った。

 失敗したとばかりに顔を逸らしてしまう。
 その横顔は赤く、耳まで染まっていた。

 皆まで言われずとも、その続きを察してしまった私も、赤面。

「……ごめん。忘れて」
 漣里くんはか細い声で言った。

「え、いや、えと……はい」
 なんともぎくしゃくとしたやり取りを経て。
 以後はお互い、しばらく真っ赤になって無言の時を過ごしたのだった。