クールな年下男子と、甘い恋を。

「今日のA定食は野菜炒めで、B定食は焼肉みたいだよ」
 メニュー表を確認して、振り返る。

「俺はBにしよう。真白はどうする?」
「私は野菜炒めにするよ。最近ちょっと体重がね……」
 私は遠い目をした。

 夏休みに漣里くんと甘いものめぐりしすぎた代償プラス、食欲の秋のせいかと思われます。

「そんなの気にしなくても、食べたいものを食べればいいのに」
「いいえ、これは女子のプライドの問題です」
「そういうもんなのか?」
「ええ、そういうものなんです」
 私はしたり顔で頷いてみせた。

「ふーん」
 漣里くんは適当に返事をして、他に興味を惹かれるものがあったのか、ふいっと顔を逸らした。

 長いまつ毛に縁どられた大きな目が、メニュー表を眺めている。
 自覚はないらしいけど、漣里くんはとっても格好良い。この場にいる誰よりも。

 私はみーこのような美人じゃないけど、せめて体重面だけでもコントロールして、漣里くんにふさわしい女子でいたいんだよ。

 談笑しながら、漣里くんとカウンターへ向かう。
 ただそれだけで、満たされた気分。

 一週間ずっと他人のふりを強いられてきた分、いま隣にいられることが、何よりも嬉しくて、幸せ。

 彼が私の名前を呼んで、きちんと私を見てくれることが――。