クールな年下男子と、甘い恋を。

「人との縁にも色々あるんだよ。もちろん良い縁のほうがありがたいけど、悪い縁だって成長する糧になる。人間関係にせよ、なんにせよ、失敗を経験したことのある人のほうが、次はうまく対処できるし、成功しか知らない人より魅力があると思わない?」
 私が手を伸ばすと、漣里くんは手を握ってくれた。

「人間は文字通り、人と人との間で自分を作るの。たくさんの人と結びついて、付き合っていくうちに、不思議と絶対に切れない縁もあるんだって気づくよ。知り合った人が最後には離れていくなんて決めつけてしまわないで。皆が皆、細い縁で結ばれてるなんて限らないよ? 中には決して切れない、一生ものの縁だってあると思う。私は、できればずっと、ずっと、漣里くんとこうして手を繋いで歩いていきたいな。せっかく漣里くんが紡いでくれた縁だもの」
「……俺が?」
「そうじゃない」
 私は苦笑して、漣里くんの手を握る手に力を込めた。

「熱中症になりかけてたあの日、漣里が私に声をかけてくれなかったら、こんなに仲良くなることなんてなかった。あのとき漣里くんが私に手を伸ばしてくれたから、縁を紡いでくれたから、私はいま、彼女として傍にいることができるの。漣里くんのクラスメイトも、いまはその……酷い状態かもしれないけど、それは漣里くんが壁を作ってるせいもあるんじゃないかな? 話しかけるなっていうオーラを作ってると、やっぱり近づきがたいし、よからぬ噂を聞いて、庇いたいって思ってくれる子がいたとしても、漣里くん本人を知らないんだから庇いようがないんだよ」
 漣里くんは押し黙っている。

 自分の中にも反省点があると思っているのかもしれない。

 等間隔に並んで立つ通りの外灯の下を、漣里くんと手を繋いで歩く。
 行きかう車のライトに照らされて、同じ制服を着た生徒、サラリーマン、OL風の女性、色んな人が歩いていた。