クールな年下男子と、甘い恋を。

 少し言い過ぎただろうか。
 時間の経過と共に冷静さを取り戻した私は、悶々とした気持ちを抱えながら昇降口を出た。

 昇降口から校門までは少々距離がある。
 その間を歩く生徒たちは、不良と名高い漣里くんはもちろん、その隣を歩く私にも、多少の好奇を含んだ視線を注いでいる。
 でもいまの私は、その人たちの視線も、ひそひそと囁き合う声も、構う余裕がない。

「……小金井は何か色々言ってたけど、ひねくれてるだけで、根はそんなに悪い奴じゃないと思うから」
 沈黙の果てに聞こえてきた声に、私は唖然とした。

 漣里くんは微妙に気まずそうな顔をしている。
 あれだけ言われたのに、漣里くんは小金井くんを庇うんだ。

 私が知らないだけで、何か庇うに足る理由があるの?

 いや、それでも……。

「……漣里くんは人が良すぎるよ」
 私は唇を尖らせた。
 私だってちょっとは言い過ぎたかもしれないけど、でも、彼氏を悪く言われて怒るな、なんて無理な話だ。

「なんであれだけ言われて怒らないの。クラスメイトにも邪魔だとか言われたんでしょ。ちゃんと怒ったの?」
「……いや」
 漣里くんは逃げるように目を逸らした。