「ああそうだよ。全て君が勝手にやったことだ」
「ふざけないで! 漣里くんはあなたを助けるために――」
怒りのまま詰め寄ろうとしたら、漣里くんに腕を掴まれた。
「もういいよ真白。ばらしていいっていう確認は取れたんだから、それでいい」
「でも!」
「言い争いに来たわけじゃないだろ。あいつの言う通り、あのとき割って入ったのは俺の意思だから。俺の行為が元で野田たちに恨まれて、つきまとわれて困ってるなら、逆恨みされても仕方ない」
「…………」
到底納得いかずに、唇を噛む。
「話はそれだけか? くだらないことで僕を煩わせないでくれ。君たちみたいな頭の悪い暇人とは違って、忙しいんだよこっちは」
小金井くんはそう言うなり、さっさと屋上を出ようとした。
私の隣を通り過ぎた彼の背中に向かって、声をかける。
怒りを消した、落ち着いた声で。
「ねえ、小金井くん」
「なんだ。まだ何か――」
面倒くさそうな顔で振り返った彼の瞳を、私はひたと見据えた。
「あなたは確かに優秀だと思う。この前のテストも五十鈴に次いで学年二位だったもんね。その努力は素直に凄いと思うよ。尊敬する」
「当然だろう」
小金井くんは得意げに笑ったけれど、私は笑い返したりはしなかった。
ただ、思いのままを何の感情も挟まず告げた。
「あなたはとても優秀だけど、とても可哀想な人。自分の立場を悪くしてでもあなたを庇った漣里くんの思いがわからないなら、人の心がわからないなら、あなたの傍にはきっと誰もいられない」
「ふざけないで! 漣里くんはあなたを助けるために――」
怒りのまま詰め寄ろうとしたら、漣里くんに腕を掴まれた。
「もういいよ真白。ばらしていいっていう確認は取れたんだから、それでいい」
「でも!」
「言い争いに来たわけじゃないだろ。あいつの言う通り、あのとき割って入ったのは俺の意思だから。俺の行為が元で野田たちに恨まれて、つきまとわれて困ってるなら、逆恨みされても仕方ない」
「…………」
到底納得いかずに、唇を噛む。
「話はそれだけか? くだらないことで僕を煩わせないでくれ。君たちみたいな頭の悪い暇人とは違って、忙しいんだよこっちは」
小金井くんはそう言うなり、さっさと屋上を出ようとした。
私の隣を通り過ぎた彼の背中に向かって、声をかける。
怒りを消した、落ち着いた声で。
「ねえ、小金井くん」
「なんだ。まだ何か――」
面倒くさそうな顔で振り返った彼の瞳を、私はひたと見据えた。
「あなたは確かに優秀だと思う。この前のテストも五十鈴に次いで学年二位だったもんね。その努力は素直に凄いと思うよ。尊敬する」
「当然だろう」
小金井くんは得意げに笑ったけれど、私は笑い返したりはしなかった。
ただ、思いのままを何の感情も挟まず告げた。
「あなたはとても優秀だけど、とても可哀想な人。自分の立場を悪くしてでもあなたを庇った漣里くんの思いがわからないなら、人の心がわからないなら、あなたの傍にはきっと誰もいられない」


