クールな年下男子と、甘い恋を。

 私は漣里くんをその場に残し、いったん自分の教室へと戻った。
 幸い、小金井くんはまだ教室にいたため、私は彼を連れて再び一年棟の屋上へと向かった。

「わざわざこんなところへ呼び出して、何かと思えばそんなことか。話したいなら話せばいいだろう」
 私たちが事情を話すと、小金井くんは腕組みし、小馬鹿にしたように鼻を鳴らした。
 なんでこの人、こんなに偉そうなんだろう。

「いいのか?」
 漣里くんは無表情で言った。

「そう言ったはずだが聞こえなかったのか? むしろ今までが異常だったんだ。いくら僕が頼んだとはいえ、本当に黙秘を貫くとは思わなかったよ。全く、馬鹿としか言いようがないね。万引きの常習犯だの不良グループを潰しただの、あることないこと言われて悔しくなかったのか? 君にプライドってものはないのか?」
 人を舐め切った目つきで放たれたこの発言には、漣里くんの隣で黙って聞いていた私のほうが怒った。

「それでも漣里くんが黙ってたのは、小金井くんのためでしょう!?」
「はっ。押しつけがましいな。そもそも僕はあのとき、君に助けてくれなんて一言も言ってないはずだが?」
 小金井くんは睨んでいる私から目を逸らし、漣里くんを見た。

「確かに、助けてくれとは言われてないな」
「そうとも」
 静かに肯定した漣里くんに、満足げに頷く小金井くん。