クールな年下男子と、甘い恋を。

「どうした? 何があった? 誰かに何かされたのか?」
 漣里くんは慌てたように歩み寄ってきた。

 彼の心配は私のことばかりだ。
 いつだってそう。
 付き合っていることを隠そうとしたのも、全部、私の身を案じてのことだ。
 私が嫌な目に遭わないように、私のことを気遣って。

 でも、違う。
 違うんだよ、漣里くん。
 そんな気遣いされても、私は嬉しくないんだよ。
 私のことじゃなくて、もっと自分のことを心配してよ。

「私は……」
 言葉が喉につっかえる。

「私は、漣里くんが独りでいるのが悔しい……」
 呆けたような顔をする漣里くんから視線を落とし、私は泣いた。

「付き合ってることを隠したくなんてない。他の人に何を言われたって、本当に、どうだっていいの。ただ漣里くんの傍にいられたらそれでいいんだよ」
 私は泣きながら、彼の手を取り、強く握りしめた。

 手のひらに思いを伝える力があるのなら――ああ、どうか、お願いだから。