クールな年下男子と、甘い恋を。

 私はやるせない気持ちで生徒玄関に下り、漣里くんの靴箱の蓋を開けた。
 外靴が入っている。
 ということは、まだ帰っていない。

 校舎のどこかにいるはずだ。
 どこだろう……?

 少し考えてから、私は以前漣里くんとみーこが仲直りした特別棟の屋上に向かった。

 二階の家庭科室から、女子たちの楽しそうな笑い声が聞こえる。
 その声を聞きながら、特別棟の階段を上り、途中で資材を抱えた生徒たちとすれ違い、屋上へ。

 ドアノブに手をかけると、鍵はかかってなかった。

 ここは立ち入り禁止なのに、誰かがいる。
 はやる気持ちを抑えて、私は扉を開け放ち――そして、固まった。

 夕陽が差す屋上には、確かに人がいた。
 でもそれは私の望んだ人ではなく、むしろ会いたくなかった人たち。

 真ん中にいるのはかつて漣里くんが殴った相手、野田健吾《のだけんご》。
 大柄で、横幅もある男子。英語のロゴが入った真っ赤なシャツの上にカッターシャツを羽織り、胸には趣味の悪い髑髏のシルバーアクセサリー。

 彼は狂犬そのものの目つきをしていて、歩くと自然と皆が道を避ける。
 万引きしたり、街の不良グループを潰して回ったという漣里くんの噂は、本来彼のものらしい。