クールな年下男子と、甘い恋を。

「え、誰?」
 男子は友達との会話を止めて、不思議そうな顔をした。
 近くにいた生徒たちも好奇の眼差しを向けてくる。

 連鎖的に、周囲にいた他の子たちも私を見てきて、なんだか恥ずかしくなってきた。

「二年の、深森っていいます。成瀬くんを探してるんですが……」
 視線の集中砲火に、縮こまりながら言う。
 遠くのほうから、机に座っていた三人の生徒までも私を見ていた。

「……あいつまた何かやったんですか?」
 私が上級生と知って、言葉遣いを改めた男子生徒は眉をひそめた。
 他の生徒も「またかよ」みたいな顔をしている。

 漣里くんのクラスでも――いや、彼と同じクラスだからこそ、か――悪名は轟いているらしい。

「違いますっ」
 その言葉だけで、クラスの中で彼がどういう立ち位置にいるかを思い知らされ、悲しくなりながら私は全力否定した。

「成瀬くんは何もしてませんっ。ただ、話がしたいだけなんです。彼はどこにいますか?」
「さあ……もう帰ったんじゃないかなぁ?」
「お前のせいだろ。邪魔だとか言うから」
 隣にいた男子生徒が、笑いながら彼の脇腹を小突いた。