クールな年下男子と、甘い恋を。

 そうすると言われていても、覚悟していても、泣きたくなってしまう。
 無視した後は必ずフォローしてくれるんだけど、なんでって。
 どうしてって、つい思ってしまう。

 私も他の学生カップルみたいに仲良くしたい。
 お昼を一緒に食べたり、くだらないことで笑ったりしたい。

 漣里くんの傍にいたいのに、そんな単純な願いが叶わない。

「あんたさあ、本当にこのままでいいわけ?」
 肩を落としたまま、のろのろと次の折り紙をとった私に、みーこが真剣な表情で聞いてきた。

 いいわけがない。
 喉まで出かかった言葉をぐっと堪える。

「……それが漣里くんの望みだもん」
「違う、私が聞いてるのは成瀬くんじゃなくてあんたの意見。彼氏があることないこと好き勝手に言われてるこの状況、我慢できるわけ?」
「しょうがないじゃない」
 人が苦労して胸の奥底に沈めている不満を無遠慮に突いてくるみーこを、私は睨みつけた。

「私にどうしろっていうの。何もしないでほしいって言われてるんだよ? ごめんって謝られたんだよ? 我儘をぶつけて困らせたくないの。嫌われたくないの」
「ふーん。彼女でいたいがために我慢するんだ。健気だねぇ」
 喧嘩でもしたいんだろうか。

 睨む私を無視して、みーこはぽいっと、折り紙の花の山の上に、完成したばかりのオレンジ色の花を指先で放った。