クールな年下男子と、甘い恋を。

 二人とも私にとって大好きな人。
 その分、今朝の漣里くんに対する誤解と偏見に満ちたみーこの暴言は本当に悲しかった。
 だから、みーこが認識を改めてくれたことがとっても嬉しくて、自然と笑っちゃうんだよ。

 良かった。
 誤解が解けて、本当に良かった。

 でも、疲れさえ滲んでいる漣里くんの顔を見るに、呑気に笑っている場合ではないらしい。
 私はみーこの隣に並び、その肩を叩いた。

「みーこ、漣里くんは本当に気にしてないみたいだから、その辺で」
「えー、でもー……それじゃあこれの出番かな……」
 みーこは大いに不満げな顔をした後、屈んだ。
 足元に置いていた自分の鞄を漁り、「じゃかじゃん!」とみーこが効果音つきで必殺アイテムのように掲げたそれを見て、ぴくりと漣里くんが反応する。
 みーこが高々と掲げてみせたのは、購買部で売っているチョコデニッシュ。

 ただのチョコデニッシュではない。
 なんとこのパン、一日十個限定の超激レア商品。
 食べた人間は例外なく絶賛し、一口で涙を流す生徒までいるとかなんとか。

 いつも数秒で完売してしまうため、購買部に一番近いクラスの生徒に頼むか、もはや購買部のおばちゃんを買収するしかないと言われているほど入手困難な代物。