クールな年下男子と、甘い恋を。

「ああああれは黒歴史! 高校では淑やかな女子になるって決めたんだから! それに、副会長たちは私の部下でもなんでもないわよ!」 
「リーダーシップもあるし、頼りがいもある最高の女!」
「お願いしますっ、お姉さま!」
 みーこは四月二日生まれで、クラスの女子の中で一番誕生日が早いからふざけて「お姉さま」などと呼ばれている。

「ぐううー」
 ノリの良い複数の女子たちに取り囲まれ、手を合わせて頭を下げられたらさすがに断りづらいらしい。
 みーこは眉根を寄せて唸り、元凶である私をジト目で見た。
 あ、怒ってるかも。

「……ちょっと来て」
 みーこはふと真顔になって私の手を引いた。
 なんだなんだ、という顔をしている女子たちを置き去りに、教室の片隅へと移動する。

「どしたの、みーこ。怒ってる?」
 しかし、推薦しただけで本気で怒るほど、彼女の器は狭くないはずだ。
 嫌ならきっぱり断るだろうし。
 必然、私の頭上には疑問符が浮かぶ。

「あのさ……」
 ぶすっとした顔で、彼女は言いづらそうに切り出した。

「私が実行委員引き受けたら、ちょっとは許してくれる?」
 具体的に何のことかは言わなくても、すぐにぴんと来た。

 ……あ。そういうことか。
 これまでの短い休憩時間中、私は言葉を尽くし、彼女が抱いていた漣里くんに対する偏見と誤解を解いた。
 最初は半信半疑だったみーこも最終的には理解を示し、酷いこと言っちゃったから謝りたい、と言ってくれた。