クールな年下男子と、甘い恋を。

「だって、こんなのおかしいじゃない。どうして漣里くんが皆から嫌われて、敬遠されなきゃいけないの? 漣里くんが何をしたっていうの? 虐められてた人を庇っただけでしょう? 漣里くんの台詞を借りるなら、漣里くんが良くても私が嫌なの!」
 漣里くんはいまでも虐められた人を庇い、無表情の裏で全ての痛みを引き受けて、抱え込んでいる。
 でも、そんなの許せない。
 ほとんどの生徒が漣里くんを誤解している現状が許せない。

 漣里くんの優しさを、時折見せてくれる笑顔の魅力を、声を大にして訴えたい!

「私は現状を変える。悪く言う人たちの認識を改めさせて、漣里くんが誰にも遠慮せず、ありのまま笑って過ごせる未来を創るの!」

 宣言すると、漣里くんは呆然と私を見つめた。
 心に響いた、と思ったけれど。

「いや、いい」
「へっ!?」
 無表情に戻った漣里くんの口から出たのは、まさかの拒否。

「な、なんで? 漣里くんはいまのままでいいの?」
「いいよ。笑って過ごせるって言ったって、元々俺、そんなに笑うことってないし」
「……そ、それはそうかもしれないけど……」
 そう言われてしまうと、返す言葉に困る。
 残念ながら漣里くんは表情に乏しく、ついでに協調性もあまりない。
 その点については誰よりも本人が正しく理解しているみたいだ。