クールな年下男子と、甘い恋を。

 野田くんを殴ったことといい、漣里くんって何か武術でも習ってるの!?
 いくら彼女が悪口言われたからって、即座に手が出る男子って珍しいと思うんですけども!?

「そんなことしたらますます漣里くんが悪者だと思われちゃうから!? 気持ちは嬉しいけど止めて、ね!?」
 大慌てで、彼を落ち着かせるべく腕を叩く。
 漣里くんは気持ちを静めるように息を吐き、私を見つめた。

「とにかく、これは俺のわがままだから」
 その目に、私は思わず動きを止める。

「聞いてほしい」
「………………」
 私は無言で手を下ろした。

 ずるい。
 そんな目で見つめられたら――何も言えなくなっちゃうよ。
 お願いなんて、普段言わないくせに。

 好きな人が自分のためを思って言ってくれているのに、どうして拒絶なんてできるだろう。
 漣里くんが誰かを殴るところなんて、見たくないに決まってる。

 ……でも。
 これまで何度も抱いていた疑問が、また私の心をよぎる。