クールな年下男子と、甘い恋を。

「うん、わかった。ダンスパーティーのことは諦める。でも、付き合ってるのを隠すっていうのは無理じゃないかな? 夏休みにも何度か一緒に歩いてるところを見られてるし、さっきだって私、それなりの人の前で言っちゃったよ?」

 思い返せば、漣里くんが冷たい目をしていたのも、わざと他人行儀に「深森先輩」と呼んだのも、私を遠ざけるためだったんだ。
 だけど、私は空気を読まず、彼の気遣いを無駄にしてしまった。
 ――それでも、後悔なんてしていない。

「もう手遅れだよ。私は本当に大丈夫だから。多少のことでへこたれるような、そんなやわな子じゃないって、前も言ったでしょ?」
「だから、真白が良くても俺が良くないんだよ」
 漣里くんは苛立ったような声で言った。

「真白の悪口言ってる奴を見つけたら殴ると思うし」
「いやいや、そんなの駄目だよ」
 全身から怖いオーラを放つ漣里くんを前に、思わず苦笑してしまう。

「漣里くんって、意外と手が早いの? やだなぁ、怖いこと言わないで」
「いや、本当に殴る。脊髄反射の勢いで」
 ええと、あの……漣里くん、目が据わってるよ?

 つうっと、嫌な汗が頬を伝う。
 これは笑って済ませられない状況みたいだ。