クールな年下男子と、甘い恋を。

 漣里くんと手を繋いで踊るなんて、まるで夢のようなシチュエーション。
 そういう目立つ行動は、照れ屋の漣里くんは嫌いかもしれないけど。
 文化祭が近づいて来たら、駄目もとで誘ってみようと思ってたんだよ。

「楽しみにしてたんだけどな……」
 おねだりの意味も込めて、じっと見つめる。
 けれど。

「いや、皆の前で踊るとか無理」
 悩む余地もなく、即却下された。

 ……うん、そうだよね。漣里くんはそういう人じゃないよね。
 皆の前で踊るって言ったって皆も踊るんだよー、踊らない人は講堂で寂しく待機なんだよー、トランプ大会とかするしかないんだよーって説得したところで、漣里くんが踊るところってあんまり想像つかないもんね。

 彼は賑やかなダンスパーティーよりも、講堂の片隅でひっそり携帯ゲームするほうが良いんだろうな。

 やっぱり駄目かぁ……。
 ええい、落ち込んでる場合じゃない!
 ダンスパーティーのことは残念だけど、それよりもいまは大事なことがある!

 私は胸中で頭を振って、気持ちを切り替えた。