クールな年下男子と、甘い恋を。

「漣里くん、友達が酷いこと言っちゃってごめんね。でも、悪いのは私なの。先にちゃんと話しておけば良かったのに、ごめんね。本当にごめんなさい」
 この期に及んでも何を考えているのか判然としない無表情の漣里くんに、私は謝ることしかできない。

「は? 彼氏って……え?」
 みーこは面食らった顔をして、私と彼とを交互に見た。

「で、でもあんた、騙されてるんじゃ……」
「違う! 騙されてなんかないっ、私は私の意思で漣里くんを好きになったの!」
 カッとなって、私はみーこを睨みつけた。

「それ以上言ったら、いくらみーこでも怒るよ」
「…………」
 気圧されたらしく、みーこが黙り込む。

「いや、いいから。気にしてない」
 横から取り成すようにそう言ったのは、話題の張本人である漣里くんだった。

「それより俺のために喧嘩するのは止めてくれ」
 淡々とした口調で言って、私の手を掴む。
 途端に、みーこが不安そうな顔をした。
 口を開閉させてから、引き結ぶ。
 そんなみーこを気にしたらしく、漣里くんが彼女に顔を向けた。

「……先輩が心配するようなことは何もしない」
 彼はいつも通りの、無感情な声で言った。

「大事な奴だから」
 みーこが驚いたように目を見開いたのが、漣里くんに見えたかどうか。
 漣里くんはそのまま私の手を引っ張って、人気の少ないわき道へと歩いて行った。