いつの間にか、好きだった

すると、朝比奈くんはチラッとこちらを見た。

その視線に、またドキッとしてしまう。

それでも私は、「ページを教えて」と伝えようとする。

言いかけた瞬間、朝比奈くんはスッと教科書を差し出してくれた。

「....65ページ」

「あ..... えっと、ありがとう」

まだ何も言っていなかったのに。

もしかして私が困っていることに気付いてくれた?

慌てていた自分を見られていたかと思うと、恥ずかしくなる。

この恥ずかしさがばれないように、なるべく普通を装って教科書を開いた。

......でも、すぐに気付いてくれるなんて、優しいところもあるんだな。少しイメージと違った。

朝比奈くんのことが次々と頭に浮かんでくるけれど、
今度こそ先生の話を聞き漏らさないように頭を振って気持ちを落ち着かせる。

なんだか、いつもより授業が長く感じた。