24時の秘めごと。

 

 笑ってごまかそうとしたけど、視界がにじむのを感じて慌てて目を逸らした。

「そんなこと……」

 ないですと否定しようとすると、神谷先輩がパソコンの電源を落とし立ち上がる。

「飲みに行くぞ」

 唐突すぎるその誘いに、私は思わず瞬きをした。

「でも、仕事……」

 私の戸惑いを打ち消すように、彼の言葉がかぶさる。

「仕事も大事だけど、今はお前の方が放っておけない」

 長身の神谷先輩が、私を見下ろしながらそう言った。


 ——ずるい。
 普段はそっけないくせに、こういうときだけちゃんと向き合ってくれるなんて。

 目の奥が熱くなる。
 泣きたくないのに、泣きそうになる。

「じゃあ、ちょっとだけ……ですよ」

 絞り出すように言うと、先輩は小さく笑い私の頭をぽんとなでた。