笑ってごまかそうとしたけど、視界がにじむのを感じて慌てて目を逸らした。
「そんなこと……」
ないですと否定しようとすると、神谷先輩がパソコンの電源を落とし立ち上がる。
「飲みに行くぞ」
唐突すぎるその誘いに、私は思わず瞬きをした。
「でも、仕事……」
私の戸惑いを打ち消すように、彼の言葉がかぶさる。
「仕事も大事だけど、今はお前の方が放っておけない」
長身の神谷先輩が、私を見下ろしながらそう言った。
——ずるい。
普段はそっけないくせに、こういうときだけちゃんと向き合ってくれるなんて。
目の奥が熱くなる。
泣きたくないのに、泣きそうになる。
「じゃあ、ちょっとだけ……ですよ」
絞り出すように言うと、先輩は小さく笑い私の頭をぽんとなでた。


